胃潰瘍はどうして食事療法で良くすることができるの?

食事療法の目的とは?

消化器の重要な役割を担う胃腸にとって食事療法は非常に大きなウエィトを占める治療法になります。

なぜなら胃腸虚弱な状態で胃に負担をかけるような食事をとってしまうと、胃潰瘍の状態が進行してしまうからです。

胃潰瘍は胃粘膜が傷つき、修復の過程でなんらかの原因が作用し、傷口が硬くなってしまう状態のことを意味しています。

したがって傷口は完全には修復していない状態で胃酸という強酸が作用して症状を悪化させてしまうことになるので、胃酸のコントロールが非常に重要な意味を持ってくるのです。

胃酸が分泌される条件としては

  • 空きっ腹であること
  • 脳の食欲を制御する中枢神経から「胃酸を分泌せよ」という指令が出ていること
  • 食欲を刺激する刺激物やアルコールを摂取した時

などが挙げられますので、これらの条件を意識的に回避するのが食事療法の目的となります。

ただし、二番目の“脳の食欲を制御する中枢神経から「胃酸を分泌せよ」という指令が出ていること”というのは自律神経の作用であり自意識ではなかなかコントロールできない部分です。

このような脳からの間違った指令で胃酸過多の状態になるということは自律神経に異常をきたしている可能性も考えられます。

自律神経は脳幹にある視床下部と呼ばれる部位から出る指令で制御されていて、脳幹には多くの神経と血管が接続しています。

ということは、血流障害が発生していると脳幹への必要物資の運搬が滞り、イレギュラーな指令を出し始めるということが考えらえるので、食事療法によって血流を良くする習慣をつけるということも目的の一つと言えます。

脳幹の働き

ではここで胃酸の量をコントロールする脳幹の働きについて説明していきましょう。

脳幹は脳と脊髄(頚椎)とを結ぶ境目に位置しています。

つまり、躯幹で得た情報を脳に伝え、脳からの指令を体の各部位に伝達するための一大中継点として重要な役割を担っているのですが、さらに重要なことは自律神経を司る視床下部が脳幹の中に組み込まれているということです。

自律神経とは体温を調整したり、臓器を動かしたりと意識とは無関係に「生きていくために必要な生理的活動」を支えるとても重要な器官になります。

当然、脳幹も視床下部も一器官になりますので、活動するにはエネルギーと酸素が必要です。

こうした必要物質は血液によって運搬されてくるので、生活習慣病(高血圧症、糖尿病、動脈硬化症)の傾向があると脳幹の機能も低下し、胃酸のコントロールも適切にできなくなる危険性が高まってきます。

生活習慣病は「生活習慣の乱れ」によって発症する病気なので、食事療法では治療の目的となる病気だけでなく生活習慣病全般に対するケアも必要となるのです。

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